エアコンをつけた直後に、カビ臭い。酸っぱい匂い、雑巾のような匂いが風に乗る。フィルターは掃除したのに残る、というときは、内部の湿気と汚れを疑う段階です。

メーカーの案内でも、運転で吸い込んだホコリや生活臭と、冷房の結露で出たカビが混ざって、独特なニオイになることがあります。自分で見ていいのは、フィルターと、止めたあとの乾燥、部屋の換気までです。奥をスプレーで洗うのは、誤ると発煙や発火のおそれがあると、NITEも注意しています。

この記事では、自分でここまで、業者はここから、を分けます。フィルター掃除の手順や料金の話、分解して洗う手順は扱いません。水漏れも、ここでは深く入りません。

カビ臭い・酸っぱい匂いは、内部の湿気と汚れ

エアコンは、部屋の空気を吸い込んで温度を変え、また部屋に戻します。ホコリ、生活臭、キッチンの油、たばこのにおいも、一緒に中へ入ります。冷房や除湿のあとは、熱交換器のまわりが結露して湿ります。湿ったままにしておくと、カビが出てニオイの原因になる、とメーカーは案内しています。

カビ臭い、酸っぱい、すえた、雑巾のよう、と感じる匂いは、この内部の湿気と汚れが混ざったときに出やすいです。運転を始めて数分が分かりやすい、という話もあります。時間がたつと鼻が慣れることがあります。

内部クリーンや送風で乾かしても、すでに付いたニオイやカビを取る機能ではない、という案内があります。予防と、今ある汚れを落とす作業は別です。フィルター掃除と、内部のクリーニングも別の作業です。

焦げ臭い、プラグが熱い、という匂いとは違います。それは電気の異常のサインなので、洗う話の前に運転を止めます。

自分でここまで

今ある内部のカビを、家の中で取り切る必要はありません。自分で見ていいのは、次までです。

  • フィルターのホコリを吸う。汚れていれば洗う。ぬれたまま戻さない
  • 自動お掃除の機種なら、ダストボックスのホコリを捨てる
  • 前面パネルや、手の届く外まわりをやわらかい布でふく
  • 吹き出し口の奥に、黒い汚れが見えないかを“見る”だけ。手や道具を入れない
  • 冷房や除湿を止めたあと、内部を乾かす(内部クリーンがある機種は、止めたあとに切らない。ない機種は、取説に沿って送風で乾かす)
  • 部屋を換気する。運転開始の直後だけでも、窓を開けておくと気が楽なことがあります

シーズン中のフィルターは、約2週間に1度、という案内があります。洗ったフィルターは、日陰で乾かしてから戻します。ぬれたまま戻すと、カビの温床になります。

フィルターを外した奥の熱交換器(アルミのフィン)は、見るだけです。自分でこすったり、液体をかけたりしないでください。メーカーは、本体内部や吹き出し口の内部はお客様ではお手入れできない、としています。

フィルターを洗ってもカビ臭い、酸っぱい匂いが残るなら、自分の範囲は終わっています。

スプレーと、自分での内部洗浄はここまで

市販の洗浄スプレーで、吹き出し口から奥を洗うのは、自分の作業ではありません。メーカーは、使わないでください、と案内しています。誤った方法だと、部品の破損による水漏れや電気部品の故障、発煙・発火につながるおそれがある、としています。

NITEも、誤った内部洗浄に注意を出しています。洗浄液が電源の配線、基板、ファンモーターなどの電気部品に付くと、トラッキング(ほこりや水分で電気の道ができ、異常に熱くなること)が起き、発煙・発火するおそれがある、という内容です。内部洗浄は、正しい知識のある業者に依頼する。消費者自身が内部洗浄を行うことは推奨しない、とも書かれています。

NITEが内部洗浄と呼んでいるのは、液状の洗浄剤などを噴霧して機器の中の汚れを流す作業です。取扱説明書どおりのフィルター手入れは、ここに含めていません。

次のものも、内部には使いません。

  • 消毒用アルコールなど、燃えやすい液体
  • 次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)など、腐食するもの
  • 高温の高圧スチーム

「スプレーを一回かければカビ臭いが消える」とは限りません。すでに付いたニオイは、フィルター掃除や内部クリーンでは取れない、という案内もあります。奥まで洗いたいときは、電気部品を避けて洗う側に任せます。分解して洗う手順は、ここでは扱いません。

業者はここから

次は、見てもらう側です。

  • 熱交換器(アルミのフィン)
  • 送風ファン、吹き出し口の奥
  • ドレンまわりなど、結露水が通るところ
  • フィルターはきれいなのに、カビ臭い、酸っぱい匂いが残る

黒い汚れが吹き出し口の奥に見える、運転のたびに匂いが戻る、というときも、内部を見てもらう相談で大丈夫です。自動お掃除付きでも、内部まで自動で終わるわけではありません。

焦げ臭い、水が落ちるときは先に止める

カビ臭い話の前に、次があれば運転を止めて電源を切ります。掃除の予約より、点検が先です。

  • 焦げ臭い
  • プラグが熱い、変色している
  • ブレーカーが何度も落ちる
  • 運転ランプが点滅する、エラーが出る
  • 室内機から水がボタボタ落ちる

水漏れそのものの見極めは、ここでは深く入りません。今夜使いにくい症状があるなら、内部を洗う前に止めてください。

見積で聞くこと

相談の前に、これだけメモしておくと話が速いです。

  • カビ臭い、酸っぱい、雑巾のよう、など、匂いの感じ
  • 運転を始めてすぐか、ずっとか
  • フィルターをいつ掃除したか
  • 内部クリーンや送風で乾かしたか
  • 吹き出し口の奥に、黒い汚れが見えるか
  • お掃除機能の有無
  • 室内機の位置(手が届くか、高い所か)
  • 型番と、分かれば使い始めて何年か

見積で聞くことは、次の3つです。

  1. 内部洗浄の範囲(熱交換器、ファン、ドレンまで入るか。フィルター掃除だけで終わらないか。お掃除機能付きで通常作業で足りるか)
  2. 電気部品への対策(洗浄液が基板やモーターに付かないようにするか)
  3. 追加料金の条件(高所、室外機、複数台、お掃除機能付き)

料金は家と機種で違うので、見積で確認してください。保証が残っているかは、販売店やメーカーの窓口で確認できます。

自分で見るところを終えたら、内部の範囲は見積で聞けます。すでに付いたカビ臭さは、乾かし直しだけでは戻らないことがあります。